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Last Blitzkrieg(BCS)のユニットカウンター紹介(その29) [ウォーゲーム]

 Last Blitzkriegのユニットカウンターを長々とみてきましたが、オマケというか最後にこれまでも一部触れていた連合軍の独立ユニットを紹介します。
 本作ではドイツ軍に12個、連合軍に18個の独立ユニットが含まれています。個人的にはドイツ軍の方が多いと思っていたのでちょっと意外でした。
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 米軍の独立ユニットの半数以上を占めるのが独立工兵大隊、あるいはそこから分遣された工兵中隊です。米軍の戦闘工兵大隊は司令部プラス3個中隊編成で、主な任務は架橋、地雷原処理、爆破物処理、地図作成、偽装などで、「必要ならば歩兵としても戦う」だそうです。
 ドイツ軍の突撃工兵とはちょっと趣が違いますが、それでも防御陣地に敷かれた地雷原を撤去し、鉄条網を爆破し、塹壕や小川に橋を架けるといった危険を伴う作業を専門にするスペシャリスト集団ではあります。
 アルデンヌでは米軍は奇襲を受けたため、もっぱら作戦序盤での戦力が足りない戦区の穴埋めを任され、厳しい戦いを強いられたようです。
 9個ある工兵ユニットはすべて初期配置で、増援で登場するユニットはいません。9個のうち7個はスタヴロー、トロワポン、マルメディー、サン・ヴィト、ビュリンゲン、バストーニュ、ヴィルツといった重要な交差点や渡河点がある町に配備されています。
 移動もできず、ステップ数もARも低いので単独でドイツ軍の攻勢を支えるのは難しいでしょうけれど、機甲騎兵や戦車といった快速部隊が急行して、現地の工兵と強力するとそこそこ強固な陣地が形成できるかもしれないです。

 画像の上段、左の3個は戦車および駆逐戦車の独立大隊で、1944年の米軍には非常に多くが編成されていました。そのほとんどは歩兵師団に配属されたわけですが、一部このように予備として留め置かれたユニットがいたようです。
 本作では第740戦車大隊は12月19日、第602駆逐戦車大隊は21日、第705駆逐戦車大隊は第101空挺師団に配属された状態で18日に登場します。

 その次の第526機械化歩兵大隊はなんだろう、と思ってググろうとしたら「526」と入力しただけで紹介サイトがヒットしました。

http://www.battleofthebulgememories.be/index.php?option=com_content&view=article&id=501:the-526th-armored-infantry-battalion-in-the-bulge&catid=1:battle-of-the-bulge-us-army&Itemid=6&lang=fr

 このサイトによると「米軍唯一の独立機械化歩兵大隊」だそうで、パイパー戦闘団と交戦した後、スタヴローとマルメディーを占拠してKGパイパーの補給線遮断に貢献、その後前線から引き抜かれて年明けには解散してしまったようです。本作ではウェルボモン近くの道路上に配置されています。

 すでに紹介した第509および第551落下傘大隊は小規模な任務を行ったり、空挺師団の戦力を補完するために編成された予備部隊で、本作では12月21、22日にそれぞれ登場します。

 下段左端の第118歩兵連隊第2大隊はもともと第30歩兵師団に所属する1連隊でしたが、1942年の夏に師団から外れてアイスランドに駐屯していたようです。たしかに第30歩兵師団の編成を見ると第117、119、120連隊となっていて118が抜けていますね。
 第118連隊は12月13日にフランスに送られ、ジベに駐屯していたそうです。本作でも12月24日にジベに配置されます。

 「99 Nor」と記されたユニットは正式名称を第99歩兵大隊といい、米国に住むノルウェー人で編成された部隊のようで、日系2世部隊である第442連隊に似ています。
 99大隊と同様のユニットにはフィリピン人、イタリア人、オーストリア人、ギリシア人、そして日系人の大隊があり、上述の第442連隊は日系人からなる第100歩兵大隊が拡充されたもののようです。
 このユニットは本作では12月17日に突然、マルメディーにぽこっと出現します。

 最後に、カウンターの色が唯一異なる「5 Fus」というユニットですが、これは米軍の燃料集積所を警備するために配備されていたベルギー軍第5フュージリア大隊です。
 1944年に連合軍によってベルギーが解放された後に編成された部隊で、いわゆる自由xx軍のような義勇兵ではなく正規軍部隊のようです。本作ではフランコルシャンに初期配置されています。

 というわけでこれで連合軍の全ユニットを紹介し終わりました。Last Blitzkriegは野心的なシステムといい最新の資料に基づく戦闘序列といい、大隊レベルという諸兵科連合と作戦立案を両方楽しめそうなスケールといい、さらにはフルマップ4枚にも関わらずそこそこプレーしやすそうな雰囲気が魅力的という印象です。
 今後も機会があれば一人で、あるいは誰かとプレーしたり作戦研究をしてみたいと思っています。

Last Blitzkrieg(BCS)のユニットカウンター紹介(その28) [ウォーゲーム]

 長々とみてきたLast Blitzkriegの米軍増援部隊はいよいよ最後、終盤の12月30日(前16ターンのうちの15ターン目)に登場する2個師団を残すところとなりました。
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 まず第87歩兵師団。こんな師団いたっけ、と思ったらヒストリカルノートにも「戦いぶりに特筆すべき点はない」とか書かれていました。
 戦歴を見ると12月初頭にフランスに上陸、訓練を続けつつ前線に移動し、14日に第3軍のザール攻撃に参加、その後メッツで損害を補充し、予備としてランスへ移動したところへ出動命令が下り、駆逐戦車大隊も戦車大隊も配備されず、補充兵の訓練もままならないまま突出部の南側に投入された、とされています。
 12月の下旬に戦闘に参加し、大晦日に大損害を被ったという記述はあるのですが、手元の資料ではどの戦区に投入されたのかいまひとつよくわからず、ちょい調査中です。本作ではほぼ完全戦力でエリアJ、つまり南西のスダン方面から登場します。
 ユニットカウンターには配属されていなかった戦車大隊も含まれていますが、史実ではこの部隊は元日に師団に合流したのだそうです。なお、この第761戦車大隊というのは、航空隊の「レッドテイルズ」のような黒人兵士で編成された部隊だったそうです。
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 そして最後に登場する米軍師団となるのがこちら、第17空挺師団です。登場エリアは同じくJ、完全戦力で、しかも米軍部隊としては珍しく疲労度が「フレッシュ」状態での登場となります。
 ユニットの編成は82や101と似ていますが、落下傘連隊が2個しかなく、戦力の半数近くがグライダー大隊となっています。しかも5個あるグライダー大隊は2個大隊ずつの2個連隊と1個独立大隊と変則的です。
 また、82や101のように前線にいきなり現れるではなく盤端から登場するにも関わらず、司令部の移動力は2と低いまま。各ユニットのARも空挺部隊としては低いといえるかと思いますが、第82師団に所属してノルマンディーに降下した507連隊と、戦闘経験が豊富な第550大隊だけがAR4と評価されています。
 史実では年末から年明けにかけてバストーニュ近郊で大損害を受けた、とされています。

 というわけで、これで連合軍の前師団および連隊/旅団をみてきました。これらのほかに米軍には歩兵、工兵、戦車、駆逐戦車といった独立大隊がいくつか登場します。次回は、最後にこれらのユニットカウンターを覗いて終わりにしようかなと思います。

Last Blitzkrieg(BCS)のユニットカウンター紹介(その27) [ウォーゲーム]

 延々とだらだら紹介してきたLast Blitzkriegの米軍増援部隊も、一部の独立ユニットを除けば、残すところあと4個師団となりました。
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 本日最初にご紹介するのは第83歩兵師団。12月27日にエリアN、つまり北方のリエージュ方面から登場する増援部隊です。
 ヒストリカルノートではわずか数行しか触れられていない同師団ですが、ノルマンディーで実戦を経験した後、10月中はルクセンブルクで待機し、11月にヒュルトゲン、12月にはローエル川で激戦を行い、アルデンヌに投入された時点では歩兵戦力が2,000ほど不足していたといいます。
 本作でも各歩兵大隊はそれぞれ2ステップを失った状態で登場します。また、師団付属の第774戦車大隊は、アルデンヌ攻勢の際には戦闘に参加していないとする、ダニー・パーカー氏の記述を見つけましたが、本作では他のユニットと共にこの戦車大隊も登場します。
 これは同大隊の戦闘参加を示す新しい史料が見つかったのか、あるいはもしかしたら、史実では近くにいた第3機甲師団が提供していた戦車支援を、細かいルールを加えることなく再現するために、あえて師団の戦車大隊を参加させたのかもしれません。
 ベテラン師団らしいAR4を除けば特筆するところは他にはないように思いますが、同師団は駆逐戦車大隊がなく、まだ牽引式の対戦車砲大隊が配属されていました。
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 続いて12月29日にエリアJまたはK、つまりスダンないしはディナン方面から登場する第11機甲師団です。
 本作において8個目にして最後となる米軍機甲師団ですが、ドイツ軍の攻勢が開始される直前までイギリスで訓練中で、第9装甲師団と同じくアルデンヌ攻勢が初陣で、最初の戦いの洗礼で大損害を出した部隊だそうです。
 編成は基本的には1943年型機甲師団のものですが、ヒストリカルノートによるとCCAはTFホワイトとTFブルーが、CCBにはTFポーカーとTFパットが所属していたそうです。予備であるCCRには第55機械化歩兵大隊だけが配属され、また、第22戦車大隊は分割されて各TFの支援にまわされたため支援専用ユニットとしたと記されています。
 戦闘未経験ということで各ユニットのARは2となっています。この師団はバストーニュ近郊での戦闘に投入されましたが、わずか1週間で人員の損害700名に加え装備する戦車の25パーセントを失い、年が明けた1月3日には第17空挺師団と交替して後方に下げられたようです。

 それにしても、バルジの戦いに参加した米軍機甲師団は第2、第3、第4、第5、第6、第7、第9、第10、第11と8個師団もあるんですね。逆に参加していていない機甲師団は第1と第8、第12~14、そして第16および第20機甲師団だけです。
 米軍機甲師団はぜんぶで(太平洋に送られた第1騎兵師団を除けば)16個師団なので、その半数がバルジの戦いを経験したわけです。
 また作戦未参加の師団うち第1機甲師団はイタリア戦線におり、第8、13、15、20の各師団が前線に登場するのは1945年に入ってからなので、アルデンヌ攻勢開始時に欧州にいた機甲師団のうち、作戦に投入されていないのは第12と14の2個師団のみということになります。
 もっといえばこの戦いには5個しかない空挺師団のうちの3個も投入されているわけで、これだけみても、そのドラマ性はさておき、バルジの戦いが米軍さらにはアメリカ人にとって非常に重要な戦いだったことがわかるように思います。

 というわけで、次回はいよいよ最終回?、かどうかはわかりませんが、残る米軍増援2個師団を見てみようと思います。

Last Blitzkrieg(BCS)のユニットカウンター紹介(その26) [ウォーゲーム]

 Last Blitzkriegにおいては、12月22日の大増援が一段落すると連合軍側の増援部隊も残り少なくなります。12月23~25日までの3ターンの間に登場するユニットの多くはすでに登場している師団の遅れて到着する後続部隊で、この期間の新規の増援部隊は唯一、第6機甲騎兵群だけです(加えて独立ユニットの歩兵大隊が1個)。
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 本作に登場する3個の機甲騎兵群のうち、最後の1つである第6機甲騎兵群は、以前の2個部隊がそれぞれ戦闘ユニット3~4個で編成されていたのに対して、わずか2ユニットしか有しておりません。
 第6機甲騎兵群はパットン第3軍の所属で、本作では12月24日にバストーニュの南、第4機甲師団と同じ道路から登場します。その任務は第4機甲師団の側翼援護ということになるでしょうか。
 ユニットは2つとも装甲値は1ですが、AR4のデュアルユニットで、それぞれ4ステップを有しています。
 本作は連合軍とドイツ軍が交互に1部隊ずつ移動および戦闘を行うシステムなので、連合軍としてはこの部隊を移動させると、わずか2ユニットで手番が再びドイツ軍に移ってしまうわけで、使いどころが難しいと感じかもしれません。
 しかし逆にいえば、移動力が高く、歩兵に対して優位に戦える便利な予備が2ユニットあると思えば、他の部隊が移動している間後方に待機させ、いざというときの最後の切り札的に使えるといえるかも。
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 連合軍としては12月22日の次に本格的な増援が現れるのは4ターン後の12月26日です。このターンには上記の第6機甲騎兵群と同じ地点から、第6機甲師団と第35歩兵師団が登場します。
 第6機甲師団は史実では激戦を展開した第10機甲師団の戦区を引き継いだとされています。本作ではこの師団が登場した次のターンに、CCBを除く第10機甲師団の全ユニットを取り除かねばなりません。
 第6機甲師団の編成はすでに登場している第7機甲師団とほぼ同じ、戦車と機械化歩兵各3個大隊に、偵察、工兵、駆逐戦車各1個大隊からなり、戦車と機械化歩兵はいずれも諸兵科混合のデュアルユニットである点も第7機甲と同じです。
 相違点としては唯一、第7機甲師団が駆逐戦車大隊にM36ジャクソンを装備しているのに対してこちらはM18ヘルキャットである、というところ。
 史実では7月18日にノルマンディーに上陸、コブラ作戦後にブルターニュ半島方面へ進撃した後、秋にはメッツ攻防戦に参加、アルデンヌ攻勢の直前にも攻撃作戦を準備していたという、おそらく当時の米軍師団中もっともアクティブかつ長距離を移動した部隊かもしれません。
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 一方の第35歩兵師団も歴戦のベテラン師団ですが、アルデンヌ攻勢の直前に部隊は激戦による消耗と疲労で戦力が低下しており、戦闘に投入されたときはまだ補充兵の訓練が終わっていなかった、とヒストリカルノートに書かれています。そのため師団各ユニットのARは精鋭にも関わらず3と平均的。
 史実では7月7日にフランスに上陸し、シェルブールやナンシーの攻略戦に参加、アルデンヌ攻勢の頃は連続戦闘日数が160日を超えていたそうです。
 本作の同師団には通常含まれている戦車大隊がいませんが、ダニー・パーカー氏はこの師団の戦車大隊は作戦期間中メッツで待機していたと記しています。

 さて、これで残る米軍増援部隊は4個師団となりました。これらを2回に分けて紹介し、場合によってはまだ見ていない独立ユニットをとりあげれば、長々と自己満足気味に続けてきた本作のユニットカウンター紹介も終わりということになるかと思います。

Last Blitzkrieg(BCS)のユニットカウンター紹介(その25) [ウォーゲーム]

 前回、前々回とLast Blitzkriegにおける、12月22日に登場する米軍増援部隊を見てきましたが、この日には歩兵師団および機甲師団や旅団に加えて、独立歩兵連隊が2個登場します。
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 一つ目は第29歩兵連隊。これなんで独立部隊なのかとちょっと調べてみると、どうも1944年の秋に後方輸送部隊、いわゆる「レッドボールエクスプレス」の護衛という任務に就いていた部隊らしく、アルデンヌ攻勢の際にミューズ川の渡河点を警戒するために投入されたんだそうです。
 本作でもこれらの3ユニットはミューズ河畔の指定されたヘクスのいずれかに配置されると、そこから動くことはできません。基本的には防御しか行えないので装甲値もアサルトアローも描かれていません。
 師団には編成されていない同連隊ですが、29という番号の若さからして実は歴史の長い部隊で、19世紀にはすでに存在しており第1次大戦にも参加しているみたいです。こういうユニットが独立部隊だったりするという、画一的に見える米軍にも興味深い歴史があるんだなぁと改めて感じた次第です。
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 もう一つの独立部隊は第517空挺連隊です。アルデンヌ攻勢における米軍の空挺部隊というと第82および101空挺師団ですが、各師団を構成する空挺連隊は完全な固定編制ではなく、入れ替えも行われていたようです。
 第101師団は501、502、506連隊という編成がほぼ固定でしたが、第82師団のほうは、第504連隊はノルマンディーには参加せず、代わりに第507連隊が編入され、504連隊はマーケットガーデン作戦で師団に復帰、アルデンヌ攻勢にも参加しています。一方の第507連隊はノルマンディーの後は第17空挺師団に所属していました。
 第517空挺連隊は他の空挺部隊と同じトコア基地(カラヒーッ)で編成され、イタリア戦線で初陣を経験した後、ドラグーン作戦に加わり南フランスに上陸しました。ウィキペディアなどをみるとバルジの戦いの際には第82空挺師団に配属されたという記述もあります。
 本作戦にはさらに第509、および第551空挺大隊というさらに小規模な独立ユニットも投入され、本作でも実はユニットカウンターが存在します。これらの独立部隊は突出部の北側を支えるために逐次投入され、大きな損害を出した、とヒストリカルノートに書かれています。
 そして、独立大隊のほうは作戦後に解隊、人員は第82空挺師団に編入されたそうです。第517連隊が本作戦中に独立部隊だったのか、82師団の一部だったのかはちょっと結論が出ないのですが、もしかしたら作戦後に編入、という形だったのかも。
 ちなみ同連隊はアルデンヌ攻勢の後、ヴァーシティ作戦では第13空挺師団に配属され、その後は第17空挺師団に異動となり、太平洋での日本本土決戦に参加する予定になっていたそうです。
 なお、本作では米軍の空挺師団は機動力が低いことを反映して司令部の移動力が極端に低く設定されているのですが、この第517連隊だけは柔軟性を持たせたのか通常の移動力を有しています。
 また、増援としても地図端から登場するのではなく、ウェルボモンかマルメディー、または地図AまたはBの勝利ポイントヘクスのいずれかにいきなり登場します。

 というわけで、厖大な米軍の増援部隊も残り少なくなってきました。次回は12月24~26日に登場する2個師団プラス1個連隊を見ていこうと思います。

Last Blitzkrieg(BCS)のユニットカウンター紹介(その24) [ウォーゲーム]

 前回に続いてLast Blitzkriegにおける12月22日の米軍増援部隊第2弾として、歩兵師団以外の部隊を見ていこうと思います。
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 この日に登場する機甲師団は2個、まず上の第4機甲師団は「パットンのお気にいり」と呼ばれた精鋭部隊で、史実ではドイツ軍に包囲されたバストーニュへの突破口を切り開いた部隊として有名です。
 編成は先に登場する第7機甲師団とほぼ同じですが、詳細を見ると駆逐戦車大隊は第7がM36を装備しているのに対してこちらはM18ヘルキャットのようです。
 また、米軍現用のM1戦車シリーズの愛称となっている「エイブラムス」はこの師団の1指揮官の名称に由来しますが、そのタスクフォースのみARが5と高く評価されているのが興味深いです。
 本作ではこの師団はバストーニュの真南に位置する幹線道路に登場しますが、上述のTFエイブラムスともうひとつTFジャックは、12月25日にやや西寄りの地図端に遅れて登場します。
 ヒストリカルノートによると先に登場した各TFによる攻撃が失敗した後、第2波として投入された上記の2個TFがバストーニュへの突破を果たしたのだそうです。
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 さて、このターンに登場するもうひとつの機甲師団は、セルでドイツ軍の同じ番号の装甲師団と交戦したことで知られる第2機甲師団です。本作では北方のリエージュ周辺から戦場へと登場します。
 この師団は戦車数の多い42年型編成なのですが、前にご紹介した同じ編成の第3機甲師団と比べると、かなりユニットの構成が異なっているようです。
 第3機甲師団は3つある機械化歩兵大隊のうちのひとつを、いくつかの戦車大隊に分散配属してデュアルユニット化していていましたが、第2機甲師団ではこのような編成をとっていないため、戦闘ユニット数が機械化歩兵大隊の分1個多いかわりにデュアルユニットは偵察大隊のみとなっています。
 また、機械化歩兵大隊の移動力が第3機甲師団では14なのに対して16と高いですが、これらの大隊には装甲値がない、つまり戦車を有していないわけです。つまり第2機甲師団の各ユニットは諸兵科連合編成を一切行っていないということになります。
 また、第66戦車連隊の第1大隊のみ、移動力16の「軽戦車(LT)」大隊となっていますが、この部隊は軽戦車1個中隊に、連隊直属のジープ歩兵などを配属した偵察部隊として編成されていたようです。
 なおヒストリカルノートによるとこの師団もCCRは名称のみで、実質的な戦闘部隊はCCAとCCBの2つに編成されていたそうです。
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 このターンには上記の2個機甲師団のほかに、第4機甲騎兵群も登場します。本作には機甲騎兵群は3個登場しますが、この部隊は、初期配置の段階でロスハイム渓谷に配備されている第14機甲騎兵群に続く2つめの騎兵部隊となります。
 戦闘ユニットは3個で、装甲値は低いですがデュアルユニットでARもそこそこ高く快速が持ち味です。
 登場エリアは上の第2機甲師団と同じなので、予備として側翼警戒や緊急事態における穴埋めや火消しに活用せよ、ということなのでしょうか?
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 こちらはやはり22日の増援として登場する、本作唯一のイギリス軍部隊である第29機甲旅団です。
 通常、バルジの戦いを扱ったウォーゲームにはもっとたくさんの英軍部隊が登場しますが、本作では、それらの英軍部隊のほとんどが本作の扱う範囲の後である年明けから戦闘に投入されたうえ、史実ではミューズ川の渡河点ではなく、その背後の開豁地に配備されていたとヒストリカルノートには記載されています。
 万が一ドイツ軍がミューズ川を渡ったならば、平野部へとおびき寄せてから叩く算段だったのだ、ということのようです。
 そして、唯一ミューズ川の渡河点の警戒部隊として前方配備されていたこの部隊のみ、ゲームに登場するというわけです。
 第29旅団は実際には独立部隊ではなく、第11機甲師団の一部らしいのですが、この部隊しか登場しないので独立旅団扱いになっています。部隊は新型のコメット巡航戦車を受領中だったそうですが、ドイツ軍の攻勢を受けて急遽旧装備に戻して戦闘に参加したとヒストリカルノートには書かれています。
 逆に、騎兵の兵科記号を有する第2HHC(ハウスホールドキャバルリー)は独立部隊でしたが、この旅団に配属されていたのだそうです。
 またイギリス軍の機甲旅団は戦車連隊(大隊)3個と機甲歩兵大隊1個が標準編成ですが、ここでは機甲歩兵大隊は中隊毎に戦車連隊に配属されたものとしてユニット化されず、戦車大隊をデュアルユニットとしています。
 各戦車連隊が装備しているのはM4シャーマンですが、イギリス軍では4両に1両の割合で強力な17ポンド砲を装備したファイアフライが含まれているため、装甲値は通常の2ではなく3、射程2が与えられています。


 前回紹介した歩兵師団、および上述の機甲部隊に加え、この日に増援には2個の独立歩兵連隊も含まれています。これも興味深いのですが、長くなってきたので次回見てみようと思います。

Last Blitzkrieg(BCS)のユニットカウンター紹介(その23) [ウォーゲーム]

 Last Blitzkriegにおける12月22日の米軍増援部隊は本作のターニングポイントといえるかもしれません。
 まず砲撃ポイントが一気に22ポイントも使用可能となります。それまで砲兵アセットは初期配置時に合計18ポイント、そして18日に3、20日に2、21日に4ポイント登場するだけだったので、このゲームターンに砲兵アセットは27ポイントから49ポイントへと激増するわけです。
 なお、連合軍が使用可能な航空ポイントはそのターンの天候次第ですが、天候決定に判定表ではなく史実の天候を使用した場合は、12月23~24日から航空ポイントが大量に登場することになります。

 地上部隊の増援もこのゲームターンは数多く、歩兵師団4個、機甲師団2個、機甲旅団1個、機甲騎兵群1個、独立連隊2個などとなっています。初期配置の米軍部隊が歩兵師団4.5個、機甲師団、機甲騎兵群各1個なので、この1ターンだけで初期配置の戦力を超える増援が現れるということになります。
 というわけで、数が多いので今回はまず歩兵師団の増援部隊を見ていこうと思います。
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 まず南方の第3軍に所属する第5歩兵師団です。同師団は11月のメッツ攻防戦に投入された攻略主力部隊のひとつで、SPIの「Patton's Third Army」でもメッツ市街のすぐ南側に配置されています。
 パットンは上記の作戦後にこの師団を優先的に補充したらしく、アルデンヌに投入されたときには完全戦力へと回復していたそうです。
 しかし急いで出撃が命じられたのか、このゲームターンに登場するのは第10歩兵連隊と牽引式の対戦車砲大隊だけで、残りは24日に到着します。実際、すべての歩兵ユニットは完全戦力で登場しますが、司令部は強行軍を反映してか疲労0段階となって現れるようです。
 登場エリアはもっとも東寄りのFで、第4歩兵師団を増強することになりそうです。史実でも、当初は第20軍団所属だったこの師団は1月1日には第4歩兵師団と同じ第12軍団へと異動しています。
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 第5歩兵師団と同じくメッツ攻防戦に参加した第80歩兵師団は1944年8月にノルマンディーに上陸してからロレーヌ、ザールと戦闘を続け、4,000名近い損害を補充しているところだったようです。
 第4機甲師団とともに北上を命じられた同師団は、第5歩兵師団の左隣、ディーキルヒ付近で戦場に登場しますが、史実ではドイツ軍の激しい防御戦闘に足止めを食らったとされています。
 同師団の第610駆逐戦車大隊は装甲値4、射程3を有していますがこれは90mm砲装備のM36ジャクソンが配備されていたことを反映しているようです。もっとも、この師団の正面にはドイツ軍装甲戦力はヘッツァー程度しかいないので、実力を発揮する機会はこの作戦中は少なかったかもしれませんけれど。
 なお、この師団も戦車大隊以外は定数を満たしていますが、司令部は疲労0段階で登場、さらに第5歩兵師団同様、1個連隊が24日に遅れて到着します。
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 第26歩兵師団も上記2個師団と同様に第3軍所属の歩兵師団で、1個連隊が24日に遅れて到着する点まで同じです。登場エリアは第80師団のさらに左側で、地図で見ると上記の3個師団はそれぞれ東から第5、80、26の順に並んで現れることになります。
 同師団が欧州大陸に到着したのはノルマンディーの戦いが終わった後の9月で、それゆえ初陣はロレーヌだったようです。そのときの損害は歩兵ではない後方部隊の兵士などで補充されたらしく、この師団のARはこれを反映して第5、第80両師団より1段階低くなっています。
 一方、第328歩兵連隊の第II大隊を基幹として、戦車を増強して編成されたらしいTFハミルトンは、戦術移動力と装甲値を有するデュアルユニットとなっています。
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 上の3個師団は南から登場する第3軍所属部隊ですが、この第75歩兵師団はこのゲームターンに登場する歩兵師団のなかでは唯一の第1軍所属部隊です。この師団がフランスに上陸したのはアルデンヌ攻勢開始3日前の12月13日。第1軍の予備となってさぁ訓練して実戦投入の準備を、と思っていた矢先に作戦に投入され、いきなり武装SSを含むドイツ軍装甲部隊の攻撃を受けて大損害を出したそうです。
 ほとんどが新兵からなる同師団は、本作でもAR2と米軍師団としては壊滅的損害を受けた第106師団と同じく最低ランク。戦闘準備が整っていないことを反映してか、あるいは数日間でフランスを横断してきた強行軍のためか、司令部も登場時点ですでに疲労1段階を被っています。
 史実ではこの師団はウェルボモンとラ・ロシュの間に投入されましたが、戦闘経験がないため、隣接する第3機甲師団の指揮下に置かれていたそうです。


 それにしても、こうした米軍各歩兵師団の編成や戦闘を鑑みると「ドイツ軍戦車がみんなティーガーに見える」とか「霧の中で奇襲を受けて潰走する」「分散配備された戦車が戦力不足で、密集隊形のドイツ軍装甲部隊に突破される」といったいわゆる松本零士マンガ的な米兵のイメージは、アルデンヌ攻勢時に初陣を経験した部隊のエピソードが元になっているのかなーと漠然と感じました。
 それだけ米軍は師団毎に経験も練度も実際の戦いぶりも部隊毎に、あるいは時期毎に異なるような気がします。
 次回は同じ日に増援部隊として登場する機械化部隊と独立部隊を見ていこうと思います。


Last Blitzkrieg(BCS)のユニットカウンター紹介(その22) [ウォーゲーム]

 Last Blitzkriegにおける12月19~21日の米軍増援部隊は、師団まとまってではなく五月雨式に地図上に登場してきます。
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 まず12月19日(第4ターン)には、第3機甲師団が一部のユニットを除きごそっと登場します。登場エリアはCCBのみ第30歩兵師団と同じスパの北方、残りはそのやや西より、リエージュの両側(リエージュそのものは地図外)から出現します。唯一、DoanとRichと記された2個TFのみ12月21日に遅れて到着します。
 第3機甲師団はいわゆる1942年型と称される大規模編成の機甲師団で、第4機甲師団以降の1943年型師団と比べ、戦車の数がとにかく多いのが特徴です。
 本作では各ユニットはそれぞれ諸兵科連合のタスクフォースを表していますが、ずらっと眺めただけでも黄色い装甲兵科マークのついたタスクフォースが6個も存在します(しかもステップ数も6~9と多い)。実際、第3機甲師団は戦車大隊6個(第32、33戦車連隊)、機械化歩兵大隊3個(第36歩兵連隊)、砲兵大隊3個という戦車連隊を2個有する編成でした。さらに加えて師団には工兵、偵察、駆逐戦車、そして対空砲各1個大隊も配備されていたようです。
 史実において別行動をとっていたCCBのみ師団とは別に司令部が与えられ、登場エリアも異なる別部隊扱いですが、CCBがいなくても十分強力な師団だといえるかと思います。
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 上の第3機甲師団と同時に登場するのが第84歩兵師団です。この師団は12月19~20日にやはりリエージュ方面から地図上に現れます。
 本作には(第82空挺師団を含めて)80番台の師団が5個登場しますが、その内容や戦績は師団毎にかなり異なるようです。
 第84師団はなかでも平均的な部隊で、10月に増援部隊として前線に送り込まれ、その後の戦闘で若干の消耗を強いられた末、アルデンヌに投入されました。史実ではマルシュやロッシュフォールといったドイツ軍進撃路で第116装甲師団などの前身を食い止めたと、ヒストリカルノートに記載されています。

 ゲームが序盤から中盤へ移行しようというこの12月19~21日には、上記の2個師団のほか、主力がすでに地図以上に存在する第4および第9歩兵師団の一部のユニット、そして戦車大隊、駆逐戦車大隊、独立空挺歩兵大隊がそれぞれ1個ずつ、また軍団直属の砲兵ポイントなども登場します。これらについては項目を改めていずれ見ていこうと思っています。

 12月16日の攻勢開始から、この12月21日あたりまでが、ドイツ軍の進撃を止めようと米軍が増援部隊をかき集めて投入する、という時期となるかと思います。
 これまでの流れでは戦線の北側は第2、第99歩兵師団を第1、第9、第30歩兵師団が増強、中央部では壊滅的打撃を受けた第106師団と第28師団の間隙部を塞ごうとサン・ヴィトには第7機甲師団、バストーニュに第101空挺師団と第10機甲師団CCBが立てこもり、両者の間には第82空挺師団が防衛ラインを形成しました。
 南側は第4歩兵師団と第9、第10機甲師団の一部の部隊がバストーニュからエヒテルナッハへ至る南翼を保持する、という状況でしょうか。
 そして上の第3機甲師団と第84師団が戦線の中央部へ投入されて防衛ラインが完成するといえるかもしれません。
 このあと12月23日になると天候が回復し、それにともない空陸両面で米軍は大増強されることになりますが、それについては次回見ていこうと思います。

Last Blitzkrieg(BCS)のユニットカウンター紹介(その21) [ウォーゲーム]

 前回に続いてLast Blitzkriegの米軍増援部隊を見ていこうと思います。今回は第3ターン、12月18日に登場する米軍師団です。
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 まず、バストーニュでの戦闘で知られる第10機甲師団です。この師団は1944年秋に欧州に上陸し、11月のロレーヌでの戦闘が初陣だったようです。
 史料を見ていると、このころの米軍は部隊に経験が少なくても、時間をかけて訓練を施され、前線で一度でも実戦を経ていれば、かなり良好な戦闘能力を発揮するように感じます。
 アルデンヌの戦いでは、この師団は第101空挺師団とともにバストーニュで包囲されたわけですが、実際に包囲網内にいたのはCCBだけで、CCAとCCRは突出部南翼の保持およびその後の反撃に用いられたようです。
 本作のヒストリカルノートによると同師団はCCAが規模が大きく、CCRにはほとんど戦力がなかったとしていて、そのため上の画像でも、師団はCCAとCCBという2個の部隊に分かれています。
 また同じヒストリカルノートではバストーニュに立て籠もったCCBは配下の諸兵科連合編成を一般的な「タスクフォース」ではなく「チーム」と呼んでいたそうです。
 各ユニットのARは史実を反映して、ベテランでも新兵でもない平均的レベルを示している一方で、CCAの装甲TFは非常に大きなステップ数を有しています。
 なお、当時の米軍師団は「戦車3個大隊と機械化歩兵3個大隊」と以前に記載しましたが、実際にはこれに「砲兵3個大隊」も加わります。本作の米軍師団は潤沢な弾薬と通信の優勢を反映してか、ドイツ軍の師団よりも大きい4の砲撃力を有していますが、第10機甲師団はそのうち包囲圏内のCCBに1ポイントを割り当てています。
 登場エリアはCCBがバストーニュの南方、CCAはより東方のエヒテルナッハ方面となっています。また、この師団は12月下旬に前線から引き抜かれたので、ゲームでも12月27日にバストーニュのCCBを除いてゲームから取り除かれます。
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 上の第10機甲師団は南方の第3軍方面から送られる増援ですが、第30歩兵師団は前回ご紹介した第1歩兵師団同様、北方のアーヘン地区から投入された部隊です。
 編成は3個歩兵連隊に工兵、戦車、駆逐戦車各1個大隊、4砲撃ポイントと平均的な米軍師団ですが、戦車大隊を除いて完全戦力で登場するため、消耗している第1歩兵師団よりも強力だといえます。
 ただし、上の第10機甲師団もなのですが、司令部が1段階の疲労状態にされているため、登場ターンに積極的な攻撃作戦を行うのは難しいように思います。
 史実では同師団はパイパー戦闘団が通過した後のマルメディーとスタブローの間に割り込み、その進撃を停止させる重要な役割を演じました。「アイゼンハワーのSS」とあだ名されたというエピソードが残っています。
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 続いて第82および第101空挺師団。この2個師団についてはご紹介するまでもなく有名ですが、アルデンヌ攻勢の時期には2個師団ともオランダでの降下作戦からの損耗から回復するため、イギリスへは戻らずフランス国内で再編成を行っていました。
 そのため両師団が属する第17空挺軍団は、欧州派遣軍の総予備という位置づけにおかれており、それゆえにドイツ軍の攻勢が明らかになった段階で急遽投入されることとなった、ということのようです。
 TVシリーズ「バンドオブブラザース」第5話の後半で描かれているように、両師団の移動は灯火管制を解除して夜通し行われるという強行軍で、バルジを扱ったウォーゲームではこの特殊な移動をどう再現するかが問題となります。
 本作ではこの移動をそのまま再現するのではなく、両師団を指定されたいくつかの候補地から米軍プレーヤーが選んだ町にいきなり登場するようになっています。
 両師団とも編成はほぼ同一で、グライダー3個大隊と落下傘歩兵9個大隊、および工兵大隊となっており、装甲兵力がないかわりに兵力が厖大で、また落下傘歩兵には米軍最強ともいえるAR5が与えられています。
 一方、軽歩兵ゆえ砲兵と輸送車両の少なさを反映し、砲撃力は3と1少なく、司令部の指揮範囲も8と、平均的な歩兵師団より2減少しています。それでもドイツ軍歩兵師団の6よりは大きいのですけれど。
 このように兵力とARが高いが機動力が低い空挺師団は固定陣地の防御に威力を発揮するわけで、バストーニュの奮戦も理由のあることだ、という主張を感じます。
 また、特別ルールでは米軍機甲師団の各CCは他の部隊と一緒に配置しても「調整」「混交」「混線」といった異なる部隊が混じることによるさまざまな罰則が適用されません。よって第101師団はバストーニュにおいてCCB/10の装甲援護を得られるわけで、より強力になるわけです。

 こうしてみると、南北から第10機甲と第30歩兵、西から2個の空挺師団が投入される第3ターンは、米軍が戦線を形成する重要な瞬間だといえるかもしれません。また第2ターンの第7機甲師団と併せ、なぜ戦いが突出部となり、サン・ヴィトとバストーニュが結節点となったかもわかってくるような気もします。

Last Blitzkrieg(BCS)のユニットカウンター紹介(その20) [ウォーゲーム]

 今回から何回かに分けてLast Blitzkriegの米軍増援部隊を見ていこうと思います。ドイツ軍のように兵科別にとも思ったのですが機甲師団も歩兵師団も米軍の増援は数がかなり多いので、登場順にしてみようかなと思います。
 厳密には第9機甲師団は第1ターンの増援ですし、第4歩兵師団など一部のユニットが増援に指定されている場合もありますが、これらはすでに紹介済みなので除外して、12月17日の増援から見ていくことにしました。
 まず登場する最初の増援は第1歩兵師団と第7機甲師団および第9歩兵師団の一部です。
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 第1歩兵師団「ビッグレッドワン」は第一次世界大戦にも参加したベテラン師団で、第二次世界大戦では、北アフリカ、シチリア、ノルマンディーと3回の上陸作戦を実施し、その後も秋にはアーヘン近郊で激戦を繰り広げ、バルジの戦いではそのアーヘン地区からアルデンヌに投入されました。
 編成は9個歩兵大隊と工兵大隊に、配属された独立戦車大隊までは通常どおりですが、駆逐戦車大隊が2個配属されています。さらに第634駆逐戦車大隊は、大隊長が率いる歩戦協同のタスクフォースが別ユニットとなっています。
 ちなみに2つある駆逐戦車大隊のうち装甲値3、射程2の大隊はM10、装甲値4で射程3の大隊はM36を装備していたそうです。
 米軍歩兵師団では戦車も駆逐戦車も等しくサポート専用で、集中運用はできないようになっています。
 この師団は登場エリアO、つまりスパの北方から戦場に現れます。各歩兵大隊はカウンターには6ステップと記載されていますが、直前の戦闘による損害から回復しておらず、ゲームには4ステップの状態で現れます。
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 同じ17日に登場するもうひとつの米軍師団が第7機甲師団です。この部隊はもともとアルデンヌ南北両方の戦線をいったりきたりさせられ、攻勢直前にロスハイム渓谷の間隙部を埋めるためにサン・ヴィトへ送られる途中だったようです。
 この師団はノルマンディー戦の末期にフランスに送られ、その後ロレーヌとオランダで戦闘を経験しました。
 米軍の43年型機甲師団は戦車3個大隊、歩兵3個大隊からなり、これらを組みあわせて3個のコンバットコマンドを形成していましたが、その内訳は師団毎にかなり異なっていたようです。
 またコンバットコマンドはその下に複数のタスクフォースを編成し、のTFが戦術の基本だったようです。
 上のユニットカウンターを見ると、兵科マークは戦車と歩兵各3個大隊ですが、部隊規模はTFとなっており、戦車も歩兵も装甲値と突撃アローを有するデュアルユニットです。黄色い戦車の兵科記号は重装甲を表すので、戦闘力に多少の差はありますが、米軍機甲師団はすべて諸兵科連合部隊であり、その柔軟性はかなり高いといえると思います。
 第7機甲師団は工兵以外はARも4(機甲師団は裏面のARも同じ)と優秀なので、しぶとい相手といえるかと思います。
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 もうひとつ、第2ターンの増援に第9歩兵師団があります。ただし、この師団はばらばらに投入されてくるため、17日に登場するのは第47連隊と戦車大隊および駆逐戦車大隊のみ、第39連隊と工兵大隊は19日、第60連隊に至っては23日まで登場しません。
 この師団はまず登場エリアPつまりマルメディとエルゼンボルンの北方から登場し、残りのユニットは登場ターンに司令部のいる位置に現れます。
 こちらも第1歩兵師団と同じく優秀な部隊ですが、やはり各大隊とも損害を回復しておらず、4ステップの状態で出現します。

 しかしこうしてみると第2ターンの増援はすべて北方から現れるわけで、ドイツ軍から見れば第6SS装甲軍には運が悪いという印象があります。
 もっとも、地図を見るとどのゲームでもたいてい、アルデンヌは南北を連絡する道路は比較的多いにも関わらず、東西を結ぶ幹線道路が少ない感じがします。これもドイツ軍の進撃と連合軍の防御を特徴づける要素のようにも思います。

 次回は12月18日の増援部隊を見ていきます。といっても17日の増援にはもうひとつベルギー軍の守備部隊があるのですが、それについては後日あらためて。

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